2012/02/07


  • 死ねばいいのに

  • 京極夏彦(著)
  • 出版社:講談社
  • おすすめ度:★★★★☆
  • あらすじ
  • 「亜佐美について聞きたい。」無礼な男が突然現れ、私に尋ねる。彼女と親しかった私。しかし、私は一体彼女の何を知っていたのだろうか…?

タイトルに惹かれて手にとってみました。

登場人物たちの身勝手な主張を、頭が悪いと自ら称する主人公がグサグサと突いていく所は爽快感もありながら、自分に突き刺さることもあって嫌な気分にさせてくれる。
いい意味で
でもやっぱりしょうがないじゃん!と思ってしまいます。人間なので

犯人は勘のいい人ならすぐに分かってしまうと思います。
しかし、この作品は主人公と登場人物との対話がメインなので気になりません。


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2011/12/15


  • 夏と花火と私の死体

  • 乙一(著)
  • 出版社:集英社
  • おすすめ度:★★★★★
  • あらすじ
  • 9歳の夏休み「わたし」は友達である弥生ちゃんに殺された。
    「わたし」の死体を隠すため幼い兄妹の4日間の冒険が始まった。

作者乙一のデビュー作になります。
人間の中で一番恐ろしいのは、子供なのでは?と、思うほど作中の子供達が怖い。
大人たちに気づかれないように、村中をあっちこっちと死体を運ぶ兄妹。
程よくホラーと少年少女の冒険がミックスされていて、読んでいるとミーン、ミーンと蝉の声が聞こえてくる。なんだか夏休みに自転車で走り回っていた頃を思いおこされます。
淡々と書かれる死体の「わたし」視点の文章も作品の雰囲気にマッチしていて、とってもいい!
死体が主人公のお話は今までないんじゃないでしょうか?

読後の後味もいい感じで悪くて、余韻がじんわりと残ります。


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2011/12/14


  • 嘘神

  • 三田村 志郎(著)
  • 出版社:角川書店
  • おすすめ度:☆☆☆☆☆
  • あらすじ
  • コーイチと仲のよい高校の友達6人が気がつくと出口も何もない部屋にいた。「ここから出たくば、7日間生き残れ。」
    「嘘神」と名乗る正体不明の声。
    彼らは無事に生きて部屋から脱出できるのだろうか!?

なぜこれがホラー小説大賞長編賞を受賞したのか・・・

仲のよい仲間が一部屋に閉じ込められて心理ゲームを繰り広げるという、今やありきたりな設定になりましたけど、こういうシチュエーションが好きな人は惹かれてしまうかもしれません。
私も、好きなので買いました。失敗しました。

登場人物達の秘めたる過去の内容が陳腐で、その部分をごっそり飛ばしてしまっても、問題ないくらい。

オチも残念な内容なので薦められません。

2011/12/13


  • チーム・バチスタの栄光

  • 海堂 尊(著)
  • 出版社:宝島社
  • おすすめ度:★★★★★
  • あらすじ
  • 心臓移植の代替手術を行う専門チーム「チーム・バチスタ」
    高い成功率を記録してきた術中にて、立て続けに患者が亡くなってしまう。
    はたして、これは医療過誤か、殺人か・・・

映画化とドラマ化にもなっているので知っている方も多いと思います。

前半は、心療内科医の主人公が「チーム・バチスタ」のメンバーをカウンセリングという名の聞き込みで、人物像を調査。 後半で、厚生省の変人役人が聞き込みデータを元に謎をポンポン解決していくといった具合です。
医療の専門用語が多々ありますが、テンポがいいのでドンドン読み進められます。

推理の部分より主人公の田口先生の人間観察の方が面白かったです。推理小説なのに。
謎解き部分はあっさりめですね。

ハーカバーの方は重いので気軽に読むなら、文庫版の方が読みやすいかもしれません。

チーム・バチスタの栄光(上)   チーム・バチスタの栄光(下)

医者もやって本も書けるなんてすごいなぁ。


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